家庭用のゴキブリ駆除剤ではブラックキャップが最強と言われています。
ブラックキャップは抵抗性ゴキブリにも効果がありますが、ブラックキャップ自体に対する耐性も気になりませんか?

実際に、ブラックキャップの成分(フィプロニル)に対してゴキブリが耐性を獲得するメカニズムも解明されています。
参照:Gondhalekar AD, et al. 2012
本記事では、ブラックキャップがどんな耐性ゴキブリに効くのか、ブラックキャップを使うことで新たに耐性ゴキブリが発生しないのか解説していきます。
ブラックキャップと耐性
ブラックキャップの有効成分はフィプロニルです。
ブラックキャップに対する耐性とは、すなわち有効成分のフィプロニルに対する耐性です。
耐性ゴキブリの多くはピレスロイド耐性
フィプロニルが1990年代に開発されるまでは、ゴキブリ駆除はピレスロイド系が主流でした。
ピレスロイド系は1970年代から様々なタイプが害虫に使用され、1995年にはゴキブリに特化したイミプロトリンが開発されています。
現在もゴスプレータイプの殺虫剤ではピレスロイド系が使われています。
参照:家庭用殺虫剤の製品開発動向、Satoshi S, et al. 1995
- ゴキジェット
- アースジェット
- ゴキブリハンター
- ブラックキャップ
- コンバット
- ゴキファイタープロ
しかし、従来から使われてきたピレスロイド系は耐性ゴキブリの増加が世界規模での課題となっています。
業者によるゴキブリ駆除の失敗事例でも耐性ゴキブリに起因することが増えています。
しかし、そのようなピレスロイド系に対する耐性ゴキブリにもフィプロニルは有効なんですよ。
参照:DeVries ZC, et al. 2019

野生にブラックキャップ耐性がいる
ブラックキャップの有効成分(フィプロニル)に対する耐性ゴキブリは現時点で問題になっていません。
ただ、野生のゴキブリの一部ではフィプロニル耐性メカニズムを有するタイプが確認されています。

しかし、高濃度フィプロニル(0.05%)を使うことでそのタイプのゴキブリも倒せると考えられています。
参照:Gondhalekar AD, et al. 2012
ブラックキャップはフィプロニル0.05%を含んでおり、上記文献で報告されたタイプのゴキブリにもブラックキャップが有効です。
ただし、新たな遺伝子変異により強力なブラックキャップ耐性ゴキブリが出現する可能性もあるので注意しましょう。

ブラックキャップで新たに耐性化する?
ここまで説明してきたように、ブラックキャップは一通りのゴキブリに有効です。
では、ブラックキャップを使うことで新たに耐性化したゴキブリが発生することはあるのでしょうか?
ブラックキャップの成分であるフィプロニルはスプレータイプが存在せず、毒エサに使われる成分です。
摂取したゴキブリは24時間後に死滅するデータが示されています。
参照:ゴキブリベイト剤 殺虫剤研究班報告
殺虫剤を使用したゴキブリ駆除に失敗すると生き残った個体が耐性化したり、長い年月をかけて使われてきた成分に対して強い個体のみが増えていき、耐性ゴキブリが問題になります。
現時点ではフィプロニル耐性ゴキブリが問題にはなっていないことから、ブラックキャップの使用による新たな耐性化の懸念は少ないと思われます。
まとめ:ブラックキャップと耐性
本記事ではブラックキャップがピレスロイド耐性ゴキブリに効果があること、さらにフィプロニルに対して耐性を示すタイプにも高濃度(0.05%)で効果があることを解説しました。
ブラックキャップはフィプロニルを0.05%含んでいることから、そのような耐性ゴキブリにも効果があると考えられます。

その一方、安全面も考えられて設計されているので、安心して使うことができます。

同じ成分(フィプロニル)を含む商品にコンバットやゴキファイタープロもありますが、コスパも踏まえるとブラックキャップがおすすめです。
