本記事ではゲーミングチェアの歴史を解説します。
ゲーミングチェアの誕生から最新の流行まで余すことなく紹介していきます。

ゲーミングチェアの独特なデザインと機能の理由も分かるよ!

ゲーミングチェアの歴史…
超マニアックな内容です!
ここまで解説したサイトは他にないと思うので、ぜひ読んでみてください。
ゲーミングチェアの歴史

ゲーミングチェアの誕生は2006年です。
そこには2000年前半の米国の景気状況が背景にありました。
世界初のゲーミングチェアの発売から最新の流行まで解説していきます。
【2000年~ 夜明け前】自動車業界の停滞
ゲーミングチェアの歴史は米国の経済混乱から始まります。
米国では2000年代にサブプライムローン問題に端を発する信用危機が発生し、2008 年に景気後退、自動車業界では2009年に米国最大手のゼネラル・モーターズ(GM)が経営破綻。

自動車産業都市のデトロイトは、不況により失業率と貧困率が急上昇し、米国100大都市で犯罪率は最悪になりました。
デトロイト郊外には廃墟となった自動車工場が残っています。

2001年に起業した米国のDXRACERはこのような厳しい自動車業界の中で高級車シートを製造していました。
しかしながら、縮小する自動車業界で収益減少に直面します。
そこでDXRACERのエンジニアがゲーミングチェアの開発に着手しました。
【2006年~ 誕生】自動車からゲームへ
米国の自動車市場が崩壊したとき、DXRACERは全く売れない自動車用シートの在庫を抱えていました。

幸いなことに、自動車用シートの製造で培った人間工学の技術がDXRACERにありました。
DXRACERの伝承によると、画期的なアイデアを実現したのは ” Inspiration and curiosity(インスピレーションと好奇心)” でした。

2006年にDXRACERは世界初のゲーミングチェアをリリースします。
当時の写真は現存していませんが、これが現在のゲーミングチェアの誕生になりました。
今もDXRACERが発売したモデルがゲーミングチェアのゴールデンスタンダードとなっています。

- 頭と肩を支えるハイバック
- 首と腰を支えるヘッドレストとランバーサポート
- 座面とアームレストの高さ調節
- 5つのキャスターホイール
- 表面素材の合成皮革
【2008年~ 黎明期】二強ブランドの独走
2006年にDXRACERがゲーミングチェアを発売し、その2年後の2008年にAKRacingが2番目の大手ゲーミングチェアブランドとして立ち上がりました。
しかし、2010年の世界的なゲーム大会「World Cyber Games(WCG)」でもゲーミングチェアはまだ使われていません。

2010年大会の種目はFIFA10や鉄拳6でした。なつかしい!

この2010年以降の大会からDXRACERとAKRacingが各種イベントのスポンサーになり、ゲーミングチェアが浸透しました。

eSports大会やプロチームへの支援をきっかけにゲーミングチェアの認知度も高まりました。

ゲーミングチェアの浸透ともにDXRACERとAKRacingの2強時代への突入です。
【2012年~ 価格競争】格安ブランド登場
2010年に市場で売られているゲーミングチェアはDXRacerとAKRacingの2つでした。

しかし、中国からDXRACERのデザインを模倣した格安ゲーミングチェアが販売され始めます。
これらはDXRACERのゲーミングチェアのように見えましたが、それは外見のみでした。

ゲーミングチェアの内側は安価な合板とスポンジであり、DXRACERの品質とは程遠い製品でした。
実際に中身を大胆に解体して比較している動画は必見です!
このような低品質な製品が問題になる中で、2013年に中国の家具メーカーのGTRACINGがゲーミングチェアに参入します。
GTRACINGは従来の中国メーカーとは異なり、機能と品質を維持しながら低コストを実現しました。

その後、Amazonを中心としたネット通販を主戦場として売上を伸ばし、GTRACINGはAmazonで最も売れているゲーミングチェアの一つとなっています。
【2015年~ 下剋上】新鋭ブランドの飛躍
DXRACERとAKRacingが市場を切り開き、2015年頃に新しいブランドが登場します。
注目すべき新鋭ブランドがSecretlabです。

高いデザイン性だけでなく、新しい機能も追加し、ゲーミングチェアの発展に大きく貢献しました。

- 統合型ランバーサポート
内部に埋め込まれた空気圧式のランバーサポート - コールドフォーム
優れた反発力と耐久性を持つ座面と背面のパッド - サイズ別での展開
ユーザーの体格に合わせたサイズ展開
複数のeSportsチーム(Team Liquid、Evil Geniuses、OG Esports、G2 Esports、Cloud9、T1など)とも提携し、認知度も高まっています。
Secretlabは2014年にシンガポールで起業し、2017年までに全世界で売上1,500万ドル(約15億円)を達成しています。

日本では2020年から発売開始となりました。
2015年以降に登場したSecretlab以外の有名ブランドも紹介していきます。
Vertagear
日本ではあまり知られていませんが、2015年にロサンゼルスを拠点に立ち上げられたブランドです。

VertagearはSecretlabにより完成された高度な機能を採用し、独自の視点を加えました。
Vertagearのゲーミングチェアはカラフルであり、耐久性が高いのが特徴です。

2015年6月にフランクフルトで開催されたESL One Dotaトーナメントで初めて展示されました。

Noblechairs
2016年にドイツのデザイナーが集まってnoblechairsが立ち上がりました。
従来のレーシングタイプのゲーミングチェアとは一線を画し、noblechairsは繊細かつ高級なスタイルを確立しています。

SecretlabやVertagearのように高品質を実現した上で、これまで実現しなかった洗練されたデザインの需要にも応えました。
noblechairsは2017年に英国のプロチームであるEndpointと提携し、 2018年にドイツのSKGamingやmousesportsとも提携しています。

ドイツ発祥のnoblechairsは欧州を中心に販売しています。
【2020年~ 新時代】在宅勤務による需要増大
2020年は世界各国でソーシャルディスタンスの一環でテレワーク・在宅勤務が進み、機能的なゲーミングチェアに世間から注目が集まりました。

日本におけるGoogle 検索ワードのトレンドでも「ゲーミングチェア」は2020年に急上昇しています。

急増した需要に対して一部のブランド(DXRACER、noblechairs)は在庫不足を起こしましたが、対応できたブランド(Secretlab、GTracing、AKracing)は売上を大きく伸ばしました。
その結果、2020年には多くの大手ブランドが海外進出を果たしています。
また、AKRacingは野球やサッカーのベンチシートにも参入し、多角的に展開し始めました。

一方、オフィスチェアは急激に売上を落としました。
アーロンチェアを手掛けるHermanMillerやインテリア家具を扱うIKEAもゲーミングチェアに参入しています。
今後、ゲーミングチェア業界はより激しい攻防が繰り広げられそうです。
ゲーミングチェアの歴史 まとめ

本記事ではゲーミングチェアの発祥から現在までの歴史を解説しました。
ゲーミングチェアの誕生は2006年であり、ゲーマーに広く浸透したのは2010年頃です。

ゲーミングチェアの歴史は浅いんだね。
今後も伸びる需要に対して、たくさんのブランドがデザイン性や機能性で争っていくことでしょう。
ゲーミングチェアは多くの製品があって選ぶのに迷いますが、本ブログを参考に自分にピッタリなゲーミングチェアを探してみてください。
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