人工皮革にはポリウレタン製(PU)とポリ塩化ビニル製(PVC)があります。
皆さん、PUレザーとPVCレザーの違いをご存知ですか?

どちらのレザーも構造は同じであり、布の表面に合成樹脂(PU/PVC)を塗布することで合成皮革にしています。
見た目だけでは区別しにくいですが、PUレザーとPVCレザーの違いもあります。
どっちが新しい?PUとPVC
質感や外観で見分けられるのか
特徴や劣化速度の違いを解説
本記事では、PUレザーとPVCレザーの違いを徹底解説していきます。
PUレザーとPVCレザーの歴史
現在も合成皮革の素材であるポリウレタン(PU)とポリ塩化ビニル(PVC)はどちらも 歴史が古い です。
最も古いのはPVCであり、1940年代に米国で合成皮革の素材として使われるようになりました。
その後、1960年代にデュポン社がPUを合成皮革の素材として使用しました。
ただ、当時の合成皮革では耐久性が低く、革靴では天然皮革の代わりとして使用できませんでした。
そこで、1964年に日本企業のクラレが世界で初めて人工皮革を開発しました。
PUレザーとPVCレザーを比較!劣化も
ポリウレタン(PU)とポリ塩化ビニル(PVC)はどちらも合成皮革です。
その構造も類似しており、土台の布地の表面に合成樹脂層としてPUまたはPVCを塗布しています。
そのため、PUレザーとPVCレザーの特徴には合成樹脂層のポリウレタンとポリ塩化ビニルの特性が反映されています。
外観や質感の違い
まず、天然皮革の外観や質感に近いのはPUレザーです。
PUレザーは製造工程で表面に微細な凹凸をつけることで天然皮革の質感に似せています。


参照:BTOD.com
ポリウレタンは伸縮性がある素材であり、それがPUレザーの柔らかさに繋がり、天然皮革に近い質感になります。
一方、PVCレザーは表面がツルツルしており、PUレザーよりも硬さがあります。
耐水性の違い
PUレザーとPVCレザーはどちらも水を弾きますが、PUレザーは濡れた状態で放置すると加水分解によりボロボロと剥がれたり、ベタつきます。
PVCレザーは湿気に強く、表面を水や中性洗剤で拭くこともできます。
劣化の違い
天然皮革は経年変化を楽しめますが、合成皮革(PUレザー/PVCレザーレザー)は経年劣化が進むとボロボロになります。
PUレザーは湿気による加水分解によりベタベタになって剥がれることがあり、PVCレザーは長年の使用により硬くなってカチカチとなりヒビ割れます。

劣化していくと、合成樹脂層がボロボロと剥がれてしまい、土台の布地が見えてきます。
PUレザーもPVCレザーも耐用年数は3年程度とされていますが、使用頻度や環境により異なってきます。
ポリウレタンは空気中の湿気により水分子と化学反応(加水分解)し、徐々にボロボロになって劣化していきます。
まとめ:PUレザーとPVCレザーの違い
本記事ではポリウレタン(PU)レザーとポリ塩化ビニル(PVC)レザーの違いを解説しました。
PUレザーとPVCレザーはそれぞれの特性を生かした合成皮革として製品に使われています。
それぞれの特徴をまとめました。
- 質感が天然皮革に近い
- 通気性と柔軟性がある
- 湿気に強い
- 水拭きなど手入れがラク
PUレザーはフェイクレザーのジャケットで使われることが多く、PVCレザーはソファやバッグに使われることが多い素材です。
どちらも3年程度で劣化する点も共通しています。
それぞれの特徴を把握しながら、好みの商品を探しましょう。
他にもフェイクレザーに関する記事があるので参考にどうぞ。
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